刈払機のグリスアップを自分でやってみた方なら、
はちみちゃんグリスあふれるまで入れちゃったけど、壊れたりしないかな…



入れすぎたグリスを抜きたいけど、やり方が分からない…
こんな不安を抱えているかもしれませんね。
結論から言うと、グリスの入れすぎはシール破損や異常発熱の原因になりますが、正しく対処すればリカバリーは十分に可能です。
適正量と正しい注入方法を押さえておけば、次回からは安心してメンテナンスに取り組めるようになりますよ。
- 入れすぎで刈払機が壊れる3つの理由
- 余分なグリスを自分で抜く具体的な方法
- グリスの適正量と正しい注入のコツ
上記について、私自身の実践経験を交えながらわかりやすく解説しています。
大切な刈払機を長く使い続けるために、ぜひ参考にしてみてください。
グリスの入れすぎで刈払機が壊れる3つの理由


刈払機のギアケースにグリスを入れすぎると、シールの破損や異常発熱など深刻な故障につながる可能性があります。



グリスはたっぷり入れておけば安心だよね
と考える方は少なくないでしょう。
しかし実際には、過剰なグリスがギアケース内部でさまざまなトラブルを引き起こしてしまうのです。
ここでは、入れすぎが故障につながる3つの理由を具体的に解説していきます。
シール・パッキンが内部圧力で損傷する
グリスを入れすぎると、ギアケース内部の圧力が急上昇し、シールやパッキンを損傷させてしまいます。
グリスは非圧縮性の物質であるため、狭いギアケースの中に押し込めば押し込むほど、内部の圧力は高まり続けます。
この過剰な圧力が、ギアケースの密閉性を保っているオイルシールやパッキンに大きな負担をかけるのです。
シールが損傷すると、そこからグリスが外部に漏れ出してしまいます。



注入口からグリスがあふれてきたけど、外に漏れなければ大丈夫かな…
と思うかもしれません。
ところが、外部への漏れがなくても、内部圧力の上昇によってシールの劣化は静かに進行している場合があります。
目に見える漏れがないからといって安心はできないということですね。
シールが完全に破損すれば、潤滑に必要なグリスまで流出してしまい、ギアの焼き付きにつながるおそれもあるでしょう。
過剰なグリスがギアを異常発熱させる
入れすぎたグリスは、ギアの異常発熱を引き起こす原因となります。
ギアケース内に過剰なグリスがあると、高速回転するギアがそのグリスを常に撹拌し続けることになります。
この撹拌によって摩擦熱が発生し、ギアケース全体の温度が上昇してしまうのです。
皮肉なことに、潤滑のために入れたグリスが、かえって潤滑不良を招いてしまう結果になりかねません。
グリスアップ後の試運転で、



ヘッド部分がいつもより熱い気がする…
と感じた場合は、入れすぎのサインかもしれません。
通常の使用で多少の発熱があるのは正常ですが、明らかにいつもと違う熱さを感じたら注意が必要です。
異常発熱が続けば、グリス自体の潤滑性能も低下し、ギアの摩耗を早めてしまう悪循環に陥るでしょう。
発熱に気づいたら、まず使用を中止して様子を確認することをおすすめします。
余分なグリスがエンジン側へ逆流する
過剰に充填されたグリスは、メインパイプを伝ってエンジン側へ逆流するリスクがあります。
ギアケース内で行き場を失ったグリスは、シャフトが通るメインパイプ内部を伝い、エンジン方向へ押し出されることがあるのです。
逆流したグリスがクラッチ周辺に到達すると、クラッチの滑りや動作不良を引き起こす場合があります。
こうなると、ギアケースだけでなくエンジン周りにまで悪影響が及び、修理費用も大きくなりかねません。
グリスの入れすぎによる影響はギアケース内部にとどまらず、刈払機全体に広がる可能性があるということです。



ただし、正しく対処すれば多くの場合リカバリーは可能です。
入れすぎに気づいた段階で落ち着いて対処すれば、大きなトラブルを防げるケースがほとんどでしょう。
入れすぎたグリスを自分で抜く方法


グリスを入れすぎてしまっても、適切に対処すれば多くの場合リカバリーは可能です。
ここでは、余分なグリスを自分で抜くための具体的な手順をご紹介します。
お使いの機種のタイプによって対処法が異なりますので、まずはギアケースの構造を確認してみてください。
ドレンネジがある機種の排出手順
ギアケースにドレンネジがある機種は、比較的簡単に余分なグリスを排出できます。
ドレンネジは、グリスの注入口とは別に設けられた小さなネジで、ギアケースの下部や側面に取り付けられていることが多いでしょう。



排出の手順は以下のとおりです。
ポイントは、ドレンネジを一気に外さず、少しずつ緩めることです。
内部圧力が高まっている状態で急に開けると、グリスが勢いよく飛び出す場合があります。
排出後は、ドレンネジの締め忘れがないよう注意してくださいね。
密閉型ギアケースの対処法
ドレンネジがない密閉型のギアケースの場合は、ギアケース本体を取り外して清掃するのが確実な方法です。
密閉型は排出口がないため、注入口から余分なグリスを抜き取る必要があります。



具体的な手順は以下の通りです。
この作業は少し手間がかかりますが、内部の状態を目視で確認できるというメリットもあります。



自分で分解するのはちょっと不安だな…
と感じる方は、無理をせず購入店や修理店に相談するのも一つの選択肢です。
下手に触って部品を傷つけてしまうよりは、プロに任せるほうが結果的に安く済むこともあるでしょう。
作業後に確認すべきポイント
グリスの排出作業が終わったら、いくつかのポイントを確認してから使用を再開しましょう。
まず確認すべきは、ドレンネジや注入口のネジがしっかり締まっているかどうかです。
締め付けが甘いと、使用中にグリスが漏れ出したり、異物が侵入したりする原因となります。
次に、短時間の試運転を行い、異常がないかチェックしてください。



確認すべき項目は以下の3つです。
- 異音の有無
ギアケースから「ガリガリ」「シャリシャリ」といった金属音がしないか耳を澄ませましょう。異音がある場合はグリス不足や部品の損傷が疑われます。 - 発熱の程度
数分間の試運転後にギアケースを手で触れ、異常な熱さがないか確認します。多少の温かさは正常ですが、触れないほど熱い場合は再点検が必要です。 - グリス漏れの有無
ギアケース周辺からグリスがにじみ出ていないか目視で確認しましょう。漏れが見られる場合はシールの損傷が考えられます。
これらの確認で異常が見つからなければ、通常どおり使用を再開して問題ないでしょう。
グリスの適正量と正しい注入のコツ


入れすぎを防ぐために大切なのは、適正量を知り、正しい方法で注入することです。
「どのくらい入れればいいか分からない」という方のために、具体的な目安と注入のコツをお伝えしますね。
適正量はケース容積の4分の1〜3分の1
ギアケースへのグリスの適正量は、一般的にケース容積の4分の1から3分の1程度とされています。
中型の刈払機であれば、おおよそ5〜8g程度が目安となるでしょう。



たったそれだけ?
と感じるかもしれませんが、ギアケースの容積は想像以上に小さいものです。
注入口からグリスが溢れるまで押し込むのは、明らかに入れすぎといえます。
最も確実なのは、お手持ちの刈払機の取扱説明書でメーカー指定の量を確認することです。
説明書が手元にない場合は、メーカーの公式サイトからダウンロードできることもあるので、一度チェックしてみてください。
適正量を把握しておくだけで、次回からのメンテナンスがぐっと安心できるようになりますよ。
刈刃を回しながら注入するとムラなく行き渡る
グリスを注入する際は、刈刃を手でゆっくり回しながら行うのがコツです。
刈刃を回すとギアが連動して動くため、ギアケース内部全体にグリスがムラなく行き渡ります。
刈刃を固定したまま注入すると、入口付近にグリスが偏り、ギアの奥まで届かないことがあるのです。
手順としては、少量のグリスを注入したら刈刃を数回転させ、また少量注入するという流れを繰り返します。



一度に大量のグリスを押し込むのではなく、少しずつ注入するのがポイントです。
この「少量ずつ回しながら」という方法を実践するだけで、過剰注入の防止にもつながるでしょう。
小型グリスガンで量を管理する方法
グリスの注入量を正確に管理するには、小型のハンドグリスガンの使用がおすすめです。
小型のグリスガンであれば、1回のポンプで吐出されるグリスの量が少なく、ポンプ回数で注入量をコントロールしやすくなります。
大型のグリスガンは一度に大量のグリスが出るため、つい入れすぎてしまいがちです。
ホームセンターなどで手軽に購入できる小型タイプを一つ用意しておくと、メンテナンスの精度がぐっと上がるでしょう。



使い方は、グリスガンのノズルを注入口にしっかり当て、ゆっくりとポンプを押すだけ。
グリスの種類にもよりますが、小型ガンで2〜3回程度のポンプが一つの目安になることが多いようです。
ただし機種ごとに適正量は異なりますので、まずは少量から始めて様子を見るのが安心ですね。
グリスアップの頻度と選ぶべきグリスの種類


適正量と正しい注入方法を理解したら、あわせて押さえておきたいのがメンテナンスの頻度とグリスの選び方です。
日頃のちょっとした心がけが、刈払機の寿命を大きく左右します。
使用頻度別のグリスアップ目安
グリスアップの頻度は、刈払機の使用状況によって変わってきます。
以下の表を目安に、ご自身の使い方に合わせたメンテナンス計画を立ててみてください。
| 使用頻度 | 使用環境の目安 | グリスアップの目安 |
|---|---|---|
| 軽負荷 | 月に数回・自宅周りの草刈り | 約50時間ごと、またはシーズン初め |
| 中負荷 | 週に数回・田畑の畦畔作業 | 約25〜30時間ごと |
| 重負荷 | ほぼ毎日・造園業など業務使用 | 約10〜15時間ごと |
年に数回の使用であれば、草刈りシーズンの始まりにグリスアップしておけばひとまず安心でしょう。
業務で毎日使用する場合は、こまめなチェックが欠かせません。
グリスが不足すると、ギアの焼き付きやシールの損傷につながるため、「入れすぎ」だけでなく「入れなさすぎ」にも注意が必要です。
適正な頻度で適正な量を補充する、このバランスを意識してみてくださいね。
メーカー推奨グリスと選び方の基本
刈払機のギアケースには、どんなグリスでも良いというわけではありません。
一般的に推奨されているのは、極圧性(EP)を持つリチウム系やウレア系のグリスです。



極圧性とは、高い圧力がかかる状況でも油膜が切れにくい性質のこと。
ギアケース内部では歯車同士が高速で噛み合うため、この性能が重要となります。
ホームセンターなどで手に入る汎用グリスでも使えないことはありませんが、潤滑性能が不足する場合があるため注意が必要です。
最も確実なのは、メーカーが純正品として販売しているギアケース専用グリスを使用すること。
価格も数百円程度で手頃なものが多いので、迷ったらメーカー純正を選んでおけば間違いないでしょう。
グリスの種類を変える場合は、古いグリスをできるだけ拭き取ってから新しいものを注入するのがポイントです。
【FAQ】刈払機のグリスに関するよくある質問


刈払機のグリスに関して、多くの方が気になるポイントをQ&A形式でまとめました。
メンテナンスの参考にしていただければ幸いです。
まとめ:グリスは適量が大切、正しい対処で刈払機を守ろう


- グリスの入れすぎで故障につながる3つの理由
- 余分なグリスを自分で抜く具体的な方法
- 適正量の目安と正しい注入のコツ
- グリスアップの頻度と選ぶべきグリスの種類
上記について、私自身の実践経験を交えながらお話ししてきました。
グリスの入れすぎはシール破損や異常発熱を招く原因となりますが、落ち着いて対処すればリカバリーは十分に可能です。
適正量と正しい注入方法を把握しておけば、次回からは不安なくメンテナンスに取り組めるでしょう。
まずは余分なグリスの排出から始めて、大切な刈払機を長く使い続けてくださいね。

