あかねちゃん雨どいを登るネズミを見てから、夜が落ち着かない…。
この記事では、ネズミ返しの作り方について解説します。
公的な資料をたどると、登られるかどうかを分けていたのは素材の手ざわりではなく、柱の太さと付ける高さでした。
直径75mm以上という太さの線と垂直1mという跳躍力、この2つの数字が作り方のほとんどを決めます。
- 分かれ目は素材ではなく太さと高さ(登られにくいのは直径75mm以上)
- 作り方は円盤・つば・フェンスの3タイプ
- 付ける位置は足場から1m以上離す
- 同時にふさぐ隙間は1cmから
- 天井裏で音がする人には、現地調査から相談できるハウスプロテクト
太さも高さも、東京都と京都府の資料に載っている数字をそのまま使っています。
逆に位置を外すと、せっかく付けた返しを跳び越えられ、天井裏に巣を作られてから気づくことになりかねません。
屋外のこすり跡だけなのか、屋内にフンまで出ているのかで、この先にやることが分かれます。
段階の見極めは、家の中まで見ないと決まりません。天井裏や壁の中まで生息状況を調べ、そのうえで侵入口の工事まで引き受ける会社もあります。
迷ったら、生息調査と侵入口の工事の両方に対応しているハウスプロテクトに、まず家の状況を見てもらうところからで十分です。
\ まず家の状況を見てもらう /
もん吉(家庭菜園・害虫害獣対策ブロガー)
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ネズミ返しの作り方は素材より太さと高さで決まる


まずは、この記事の結論にあたる部分を先に置いておきます。
上から順番に見ていきましょう。
ねずみ返しの原理は保健所の資料にも載っている
ネズミ返しは、個人が思いついたその場しのぎの工夫ではありません。
東京都多摩府中保健所の「クマネズミ対策」には、木に登られて実を取られる場合の対処として、次の一文が載っています。
もし、ねずみが木に登って実がとられる場合は、幹にブリキなどで帽子のつばのような輪をつけるとよいでしょう(ねずみ返しの原理)。
京都府農林水産技術センター畜産センターの資料にも、開口部をぐるりと覆うネズミ返しの図が載っています。
つまりネズミ返しは、公的な資料に出てくる考え方を家の外まわりに置き換える作業です。
原理そのものは単純で、登ってきた先で体を支える場所をなくす、その一点だけ。
公的資料に載る考え方なので、DIYでも筋は通っています。あとは太さ・高さ・回り道という3つの条件を外さないだけ。
素材より太さ:登られにくいのは直径75mm以上


京都府の資料は、ネズミが登りやすい柱と登りにくい柱を、素材ではなく太さで分けています。
| 項目 | あてはまる管・柱 |
| 登りやすい | 直径50mm以下の管や柱/H形鋼・L形鋼(軽量鉄骨)/ワイヤー |
|---|---|
| 登りにくい | 垂直の円柱で直径75mm以上(プラスチック・金属)/角柱で幅10cm以上(金属) |
数字を並べてみると、太さそのものが壁になっていることが見えてきます。
ただし「ツルツルした面なら登れない」とまでは言い切れません。
同じ京都府の資料には、掴む箇所がない壁でも30cm程は駆け上がると書かれていました。
粗い面は素材を問わず登られます。都民のためのねずみ防除読本でも、上階へ登れる外壁として「コンクリートブロック、表面の粗いもの」が挙げられていました。
だから設計で先に決めるのは手ざわりではなく、返しの太さと形のほうです。
太さ・高さ・回り道の3点で作り方が決まる
ネズミ返しの作り方は、突き詰めると太さ・高さ・回り道の3点で決まります。
太さの根拠は、さきほどの直径75mm以上という線引きです。
高さの根拠は跳躍力で、都民のためのねずみ防除読本では垂直1m・水平1.2mとまとめられています。
回り道の根拠は、電線や網の上を水平に歩けるという性質のほうです。



3つのうち1つでも外すと、そこが抜け道になる。
この先の章は、それぞれがこの3点のどれを担当するかで分かれています。
屋外のこすり跡と屋内のフンで段階が分かれる
ネズミ返しが効くかどうかは、家がどの段階にあるかで変わってきます。
手がかりになるのがラットサイン(ネズミが活動したあとに残る跡)です。
なかでもこすり跡は、体から出る脂と汚れが通り道に付いてできる、黒光りしたあとになります。
| 見つけた場所 | 今いる段階と次の一手 |
| 屋外の配管・雨どい・柱にこすり跡だけ | 経路として使われている段階。ネズミ返しと侵入口ふさぎが効きます |
|---|---|
| 屋内にフン・巣材・かじり跡 | すでに屋内に入り込んでいる段階。外を固めるだけでは足りません |
ネズミは決まった通り道を使うことが多いので、跡の近くに隙間がないかを重点的に探します。
同じ場所にフンが落ちる理由は、ネズミのふんが同じ場所にある理由で整理しました。



フンを見つけると、一気に現実味が出てくる…。
袋の食害が気になる人は、袋のかじった跡がネズミかどうかの見分け方も判断材料になります。
屋外のこすり跡だけで止まっている家は、経路を断つ作業がそのまま効くはずです。
現地調査から相談できるハウスプロテクトは、屋内にフンや巣材が出ている家に向いています。壁の中や天井裏は、道具をそろえても自分の作業にはしにくい場所だからです。
うちのネズミはクマネズミかドブネズミか
種類が分かると、どこに返しを付けるかが自然に絞り込めます。
| 項目 | クマネズミ | ドブネズミ |
| 体長 | 15〜20cm | 22〜26cm |
|---|---|---|
| 尾 | 胴より長い | 胴より短い |
| 耳 | 大きい | 小さい |
| いる所 | 天井裏・壁の中 | 下水溝・低層階 |
| 好む餌 | 植物質 | 動物質 |
高い所を伝って動くのがクマネズミで、雨どい・電線・外壁が主な経路になります。
ドブネズミは床下や下水まわりから来るため、返しを付ける場所も地面寄りに変わるでしょう。
体長6〜9cmほどの小さい個体を見た人は、茶色で小さいネズミの正体と見分け方でハツカネズミとの違いを確かめられます。
東京都の相談は、そのほとんどがクマネズミです。迷ったときは高い所を通る前提で、雨どいと配管から手を付けると外しにくくなります。
ネズミ返しの作り方は素材より太さと高さで決まる


材料は、思っているより少なくてすみます。
そろえる順に見ていきます。
100均でそろう物とそろわない物
100均で手に入るのは、PPシート・硬質のクリアファイル・結束バンド・粘着テープあたりです。
形を作って試すだけなら、これで十分に成り立ちます。
| 区分 | あてはまる材料 |
| 100均でそろう | PPシート/硬質クリアファイル/結束バンド/粘着テープ/作業用手袋 |
|---|---|
| そろいにくい | 屋外で数年もたせる金属板/ステンレスの亀甲金網/不燃性のパテ |
そろいにくいのは、屋外で数年もたせる金属系のほうです。
100均の道具で侵入口まで手を入れる進め方は、100均でネズミの侵入経路を塞ぐ方法でも扱っています。
まずは一週間だけの試作と割り切ると、材料選びで迷いません。
屋外に付けるなら耐候性で選ぶ
屋外に置いた薄いプラスチックは、紫外線と雨で年々もろくなります。
経年劣化(年月がたって素材が傷むこと)で割れた返しは、かえって足がかりに変わってしまうでしょう。
目安になるのが市販品で、配管用のネズミ返しはポリカーボネート(割れにくい透明なプラスチック)の0.5mm厚。
厚みより、素材と固定のしかたが効きます。薄くても割れにくい素材を選び、風で反り返らないよう面で押さえるほうが長もちするでしょう。
金属板を選ぶ人は、切り口で手を切らないよう縁を折り返しておくと安心です。
金網は網目1cm以下・線径0.8mm以上を選ぶ
金網選びは、網目の大きさと線径(線の太さ)の2つで決まります。
| 種類・場面 | 公的資料が示す基準 |
| 亀甲金網(六角形の目をした金網) | 網目1.3cm規格以下/ステンレスは線径0.8mm以上 |
|---|---|
| 溶接金網(線を格子状に溶接した金網) | 網目1.4cm以下 |
| 広い隙間にかぶせるとき | 網目幅1cm以下の金網を使う |
網目と線径を数字で見て選びたい人には、金属メッシュ。
板のまま切って形を作りたい人には、パンチングメタル(小さな穴が開いた金属の板)。
どちらも、ネズミ返しの本体にも侵入口ふさぎにも回せます。
製品によって網目と線径はまちまちです。公的な基準に届かない規格もあるので、買う前に仕様表で数字を確かめておくと付け直しを減らせるでしょう。
逆にいえば、網目さえ外さなければ材料は1種類でも足ります。
市販のネズミ返しの仕様を自作の目安にする
自作の前に市販品の仕様を見ておくと、寸法の見当がつきます。
配管用の市販品ラッターン(環境機器株式会社)は、取付可能径50〜90mm(目安)という範囲です。
| 項目 | 公式が公開している仕様 |
| 取付可能径 | 50〜90mm(配管用・目安) |
|---|---|
| 材質・厚み | ポリカーボネート0.5mm厚 |
| 本体色 | 透明またはグレースモーク |
自作するときも、この範囲に近い管を対象にすると形が決めやすいでしょう。
一方で市販品は寸法が決まっている分、太い柱や角柱にはそのまま合いません。
自作は形を相手に合わせられる代わりに、固定と継ぎ目の処理が自分の受け持ちになります。
かじられにくい材料とかじられる材料
門歯(前歯)は一生伸び続けるため、ネズミは硬い物をかじって歯を削ります。
木や紙、細い金網は、かじって穴を広げられてしまうでしょう。
| 区分 | 材料 |
| かじられにくい | 金属タワシ・亀甲金網・外壁用パテ(ホームセンターで手に入る) |
|---|---|
| かじり広げられる | 木材・紙・布・細い金網 |
東京都多摩府中保健所は、この3つを容易にかじられない材料として挙げています。
材料ごとの強さの違いは、ネズミがかじりにくい材料の使い分けでくわしく扱いました。
返しの本体だけでなく、固定に使う部品も同じ基準でそろえると長もちします。
ネズミ返しの作り方3タイプ:円盤・つば・フェンス


ネズミ返しの形は、相手が管か幹か塀かで3つに分かれます。
自分の家にある相手を思い浮かべながら読んでみましょう。
円盤型の作り方:配管の直径の3倍が目安


縦の管を登ってくる経路に向くのが円盤型です。
張り出しは、配管の直径の3倍以上を目安にする説明が多く見られます。
公的な資料で確かめられるのは、直径75mm以上の円柱なら登りにくいという線引きのほうです。
管の直径を測り、その3倍を外径にした円をPPシートか金属板から切り出します。
中心に管と同じ大きさの穴を開け、外周まで1本切り込みを入れて、巻き付けられる形にしておきましょう。
切り込みを重ねて円盤の形にもどし、結束バンドで管に水平に締めます。
重ねた部分と管との隙間を金属タワシや不燃性のパテで埋めれば完成です。
継ぎ目に指が入るほどの隙間が残ると、そこを足がかりにされます。
結束バンド(樹脂製の締めるバンド)が緩んでいないか、季節の変わり目に見ておくと安心でしょう。
細い塩ビ管(塩化ビニル製の管)ほど、円盤は大きめに取ります。
つば型の作り方:柱や木の幹をぐるりと囲む


円盤を通せない相手、つまり庭木や支柱に向くのがつば型です。
保健所の資料にある「幹にブリキなどで帽子のつばのような輪をつける」が、そのまま形になります。
帯状の金属板を幹に巻き、上端を外向きに折り返すとつばの形ができるでしょう。
| 返しの向き | 合わせたい相手 |
| 下向きのつば | 下から登ってくる庭木・果樹・支柱 |
|---|---|
| 上向きのつば | 枝や屋根から下りてくる経路がある柱 |
幹は年々太くなるので、締め付けず余裕を残して巻くのがコツです。
針金で締め上げると幹に食い込み、木のほうを傷めてしまいます。
フェンス型の作り方:塀の上端に返しを付ける


塀の上を伝って屋根へ回られる家に向くのが、フェンス型です。
京都府の資料の図では、開口部の横の柱までカバーを延ばし、両側の壁まで覆う形が示されています。
上端に外向きの返しを付け、端まで切らさないのが要点でしょう。
途切れた端は、そこだけが通り道になります。塀の角や門柱との取り合いなど、返しが終わっている場所から先に見直しましょう。
塀が表面の粗いコンクリートブロックなら、面そのものを登られる前提で考えます。
ネズミ返しを付ける場所と高さ:足場から1mが目安


形が決まったら、次は付ける場所と高さの話です。
家の外を一周する順番で並べました。
ネズミは垂直1m跳ぶ:足場から離して付ける
付ける高さを決めるには、跳躍力(跳べる高さと距離)から逆算します。
| 動き | 公的資料が示す目安 |
| 垂直に跳ぶ | 1m |
|---|---|
| 水平に跳ぶ | 1.2m |
| 掴む所がない壁を駆け上がる | 30cm程 |
室外機の上、物置の屋根、積み上げた植木鉢。
こうした足場のすぐ上に付けた返しは、跳び越えられて意味をなさなくなります。
目安は足場から1m以上離すこと。
足場をどけるほうが早い場合もあります。返しの位置を上げられないときは、室外機の上の物や積んだ資材を先に片づけるほうが手っ取り早いでしょう。
逆に、はしごを立てないと届かない高さにしか付けられない場所も出てきます。
雨どいと縦パイプは地面側から巻く


雨どいや縦パイプは、地面から手が届く範囲で巻くのが基本です。
直径50mm以下の細い管は、そもそも登りやすい部類に入ります。
気をつけたいのが継ぎ目と固定金具で、ここが小さな足場になってしまうでしょう。
返しは金具の少し上へ。金具そのものを足場に使われると、返しの下から跳ばれてしまいます。
1本の雨どいに返しを2枚重ねて付けるやり方も選択肢です。
エアコンの配管はドレンホースの出口も見る


エアコンまわりで見る場所は3つあります。
配管の化粧カバー(屋外の配管を覆うカバー)、壁の貫通部、ドレンホース(水を外へ流す細いホース)の出口です。
とくに壁の貫通部のすき間は、公的資料でも侵入口として名前が挙がっていました。
ドレンホースの出口をふさぐ用途に向いています。ホース径が合わないと付かないので、買う前にホースの太さを見ておきましょう。
キャップを付けたあとは、排水が詰まっていないかを時々見ておくと長く使えます。
庭木の幹には帽子のつばのような輪を付ける
庭木や果樹は、家に上がるための階段になりやすい場所です。
家庭菜園を長く続けていると、放っておいた枝が屋根の高さまで伸びるのはよくある光景。
ここで効いてくるのが、保健所の資料が挙げている幹にブリキなどで輪をつけるやり方です。
枝の剪定とセットにすると効きめが変わります。屋根や外壁から枝先を離しておけば、幹の輪を回り込むルートも減らせるでしょう。
果実を取られるだけでなく、屋根裏への入口になっていないかも見ておきたいところ。
塀やフェンスは上端を越えられない形にする
塀やフェンスは、上端の処理だけで通れるかどうかが変わります。
ただし、粗面(表面がざらついた壁の面)のコンクリートブロックは面そのものを登られてしまうでしょう。
| 塀の状態 | 返しの付け方 |
| 表面がなめらかな塀 | 上端に外向きの返しを端まで通す |
|---|---|
| 粗いコンクリートブロック塀 | 上端だけでなく、屋根側の着地点にも返しを置く |
門柱との取り合いや塀の角など、返しが途切れる場所から先に手を入れましょう。
塀の上をたどった先が屋根なのか物置なのか、着地点まで目で追ってみると付ける位置が見えてきます。
ネズミ返しの作り方を間違える5つのパターン


作ったのに入られる家には、だいたい共通の理由があります。
心当たりがある項目から読んでみましょう。
電線や枝を伝って回り道される
とくに多いつまずきが、この回り道です。
都民のためのねずみ防除読本によると、クマネズミは電線や網の上を水平に歩けるとされています。
雨どいを1本ふさいでも、電線・枝・物干し竿という別ルートが残っていれば振り出しに戻るでしょう。
1本ずつではなく、家をぐるりと見てから決めます。電線導入部(電気や電話の線が外壁を貫いている部分)は、公的資料でも侵入経路として名前が挙がっている場所。
屋根に届いている枝は、返しを作る前に先に落としておくほうが早道です。
足場が近くて跳び越えられる
2つ目は、高さの取り違えです。
垂直1m・水平1.2mという跳躍力を思い出すと、足場から1m以内の返しは越えられてしまいます。
京都府の資料にも、足場から高さ15cm以内の位置は金網がかじられやすいという記述がありました。
足場は季節で増えます。夏に置いた植木鉢、秋に立てかけたすだれ、冬の雪囲い。付けたときは離れていても、あとから足場ができることがあります。
返しの周囲1mを空けておくと決めておくと、置き場所で迷いません。
においで遠ざける前提で作ってしまう
3つ目は、作業のしかたの話です。
においが残ると近寄らなくなる、という説明は駆除業者の記事でよく見かけます。
ただ公的な資料で確かめられるのは、クマネズミの警戒心が非常に強いという点まででした。
手袋を使うのは、においよりケガ対策として意味があります。金属板の切り口や金網の端は鋭いので、作業用手袋は用意しておきましょう。
新しい物を置いた直後は、数日かけて様子を見るくらいで十分です。
取り付け部分に隙間が残る
4つ目は、仕上げの粗さです。
円盤の切り込みを重ねただけだと、管との間に細い隙間が残ります。
京都府の資料では、金網が縁と柱の付近からかじられやすいとまとめられていました。
弱いのは「面」ではなく「縁」です。継ぎ目・端・固定部分から順に、金属タワシや不燃性のパテで埋めていきましょう。
結束バンドは時間がたつと緩むので、締め直しの日を決めておくと手が回ります。
屋外で割れる素材を選んでしまう
5つ目が、素材の選び違いです。
クリアファイルや薄いPPシートは、紫外線と雨で1シーズンもたないこともあります。
割れた破片が引っかかると、そこがかえって足がかりに変わってしまうでしょう。
試作はPPシート、本番は金属板。この二段構えなら、形を確かめてから材料費をかけられます。
ここまでの5つを直しても入られる場合、経路はもう屋外ではなく屋内側に移っているはずです。
屋内側の巣まで調べたい人には、現地調査から相談できるハウスプロテクトという選択肢があります。
ネズミ返しとセットでやる侵入口のふさぎ方


返しで経路を止めたら、次はたどり着いた先の穴をふさぎます。
ここが公的資料のいう環境的防除の本体にあたります。
ネズミが通れるのは1cmの隙間から
どのくらいの隙間から入れるのかは、資料によって少しずつ違います。
| 出典 | 通り抜けられる隙間 |
| 渋谷区 | 大人のネズミで1cmほど |
|---|---|
| 東京都多摩府中保健所 | クマネズミは1.2cm以上 |
| 都民のためのねずみ防除読本 | 1.25cm |
| 京都府畜産センター | 15mm以上 |
幅があるので、家の対策としては小さい側の1cmを基準にすると外しません。
ちなみに千葉市の資料では、ドブネズミは1cm程度の穴でも周囲をかじって広げると説明されていました。
つまり今の穴の大きさだけを見て判断するのは早計でしょう。
指が1本入る隙間は候補です。懐中電灯を斜めから当てると、日中でも壁際の細い隙間が影で浮かび上がります。
場所別のふさぎ方:戸袋・通気口・配管まわり


都民のためのねずみ防除読本には、防そ修繕(ネズミが入れないように隙間をふさぐ工事)の具体例が場所ごとに載っています。
| 場所 | 公的資料が示すふさぎ方 |
| 雨戸の戸袋 | 中のすき間に、まるめた亀甲金網や金属たわしを突っ込む |
|---|---|
| 電線導入部 | 外壁を貫通している部分のすき間に不燃性のパテを詰める |
| 屋根の下 | 垂木(屋根を支える細長い木材)と外壁の間に金網を折って差し込むか、角材を入れる |
| 通気口 | 全体に金網をかぶせる。格子の幅が1.25cm以上なら1cm位のものに取り替える |
| 換気扇 | 防火ダンパーが油汚れで閉まらない場合は掃除。取り付け部のすき間はパンチングパネルでふさぐ |
| 基礎のすき間 | モルタルなどを詰める |
| 配管の貫通部 | 不燃性のパテやモルタルで埋める。応急なら金属たわしを詰める |
| 扉のすき間 | 木製ドアの穴やすき間には金属板を打ちつける |
| 壁のひび割れ | 不燃性のパテやモルタルで埋める |
広いすき間に金網をかぶせるときの共通ルールは、網目幅1cm以下でした。
細い配管まわりの隙間をふさぐ用途に向いているのが、防鼠パテ。
唐辛子の辛み成分カプサイシンを含むタイプは、東京都の分類でいう味覚忌避剤にあたります。
公的資料が書いているのは「齧りを防止する実績がある」までです。駆除や撃退の道具ではないので、広い穴には金網との併用が要ります。
紙や木でふさぐと門歯でかじり広げられる
ふさぐ材料を間違えると、翌週には穴が復活していることがあります。
門歯は一生伸び続けるため、ネズミは硬い物をかじり続けなければなりません。
だから木材や段ボールでふたをすると、通れる大きさまで削られてしまいます。
- スチールウールをほぐしておく
- セメントと砂を1対2〜3で混ぜてモルタルを作る
- ほぐしたスチールウールにモルタルと水を加えて練る
- 隙間に埋め込み、1晩おいて硬化させる
金属タワシ・亀甲金網・外壁用パテなら、かじって突破されにくいと保健所の資料も書いています。
粘着シート・忌避剤・超音波は補助にとどめる
ここが誤解の生まれやすいところ。
公的資料での位置づけを並べると、どれも環境的防除の補足という扱いでした。
| 手段 | 公的資料での書かれ方 |
| 粘着シート | クマネズミやドブネズミは接着せず脱出することがある/餌を置くと餌だけ取られることがある |
|---|---|
| 嗅覚忌避剤(スプレー) | 現場によって状況が異なるため、いずれの現場でも効果的に使用するのは難しい |
| 味覚忌避剤(カプサイシン等) | 齧られては困る物に処理しておく方法で、齧りを防止する実績がある |
| 超音波防そ機 | 物理的防除の1手段として言及されるのみ |
通り道を確かめたい人には、粘着シート。
犬や猫がいる家は置き場所に注意なので、ネズミ駆除剤を犬が食べてしまうリスクも見ておくと判断しやすいでしょう。
捕るための道具ではなく、通り道を見つけるための道具です。大型のネズミには脱出されることがあると公的資料も認めています。
侵入口をふさぎ切るまでのつなぎに使いたい人には、忌避スプレー。
身近な素材で試したい人が気にするネズミにコーヒーかすを使う方法も、位置づけとしては同じ補助にとどまります。



においで追い出せたら楽なんだけど…。
罠や薬剤を家に置きたくない人には、超音波タイプ。
東京都の指針で超音波防そ機に触れているのは、物理的防除の1手段として名前が挙がる一行だけでした。
ペットへの影響が気になる人は、ネズミ駆除の超音波とペットの安全性で置き場所を決められるでしょう。
犬のそばで使う予定の人には、超音波虫除けが犬に与える影響も先に確かめられます。
3つとも、穴をふさぐ作業の代わりにはなりません。逆にいえば、侵入口をふさぐまでの時間を稼ぐ道具として割り切れば使いどころがあります。
電気配線まわりのすき間は自分でふさがない
この部分については、公的資料がはっきり線を引いています。
電気配線が壁を貫通し配電盤につながる部分にすき間がある場合の防そ修繕は危険なので、電気屋さんにお願いしましょう
つまり、DIYの範囲にははっきりした境目があるということ。
配電盤まわりだけでなく、天井裏の配線を踏みそうな場所も同じ扱いにしておきましょう。
この手が届かない範囲をどう扱うかは、ハウスプロテクトのような会社に現地を見てもらって決められます。
ネズミ返しの作り方では届かない範囲を見分ける


自分でやれる範囲には、公的資料が引いている線があります。
線の引き方が分かると、自分の作業も落ち着いて進められます。
クマネズミには罠も毒えさもあまり効かない
東京都のねずみ被害は、そのほとんどがクマネズミによるものと保健所がまとめています。
そしてクマネズミには、防除方法によって効き方に大きな差がありました。
| 項目 | ドブネズミ | クマネズミ |
| 環境的防除 | 有効 | 有効 |
|---|---|---|
| 化学的防除 | 有効 | あまり有効でない |
| 物理的防除 | 有効 | あまり有効でない |
殺そ剤(ネズミ用の毒えさ)を使う化学的防除も、罠で捕まえる物理的防除も、クマネズミには分が悪いとまとめられていました。
捕獲器と殺そ剤は、ドブネズミ、ハツカネズミに対して有効です。クマネズミに対しての物理・化学的防除は専門業者でもなかなか困難と言われています。あくまでも環境的防除の補足と考えた方がよいでしょう。
裏を返せば、ネズミ返しと侵入口ふさぎ、つまり環境的防除はクマネズミに残された数少ない有効な手ということ。
だからこそ、その環境的防除を最後までやり切れるかどうかが分かれ目でしょう。
途中で止まりそうな範囲がある人は、現地調査から相談できるハウスプロテクトに見てもらう手があります。
天井裏や高所は自分でやらない
同じ資料には、作業の線引きもはっきり書かれていました。
天井裏や高所などの危険な場所については、専門業者に依頼したほうがよい場合もあります
壁の中に営巣(巣を作ること)されると、壁の一部を外すか切って開けないと巣を取り除けません。
穴をふさいだあとに中で死ぬこともあり、その場合のにおいの対処はネズミの死骸の臭いがいつまで続くかで扱っています。
夜中の天井裏からコンコンと音がする段階は、もう屋外の作業だけでは届かない範囲に入っているサイン。



屋根に上がるのは、さすがに怖い…。
天井裏・はしごを立てる高さ・電気配線まわり・壁の中は、道具をそろえても自分の作業にはできません。
生息状況の調査から侵入口の工事までを一つの窓口で受けられる会社なら、この範囲もそのまま守備範囲に入るでしょう。
まずは家の中まで見てもらうところから始められます。
\ 届かない範囲を引き受けてもらう /
放っておくと家に何が起きるか
そのままにした場合の話も、東京都の指針に数字つきで残っています。
| 起きること | 公的資料に載っている報告 |
| 火災 | 1995〜2003年の集計で、東京消防庁管内でねずみが原因と確認された火災は毎年12件ほどという報告があります |
|---|---|
| 停電 | 同じ時期の調査で、関東電気保安協会の管轄地域内では年間約70件前後の小動物による電気設備のトラブルがあり、その6割近くがねずみによるものと報告されています |
| 感染症 | 2003年に国立感染症研究所が行った都内のドブネズミ調査で、22%から重症型のワイル病を起こすレプトスピラ菌が分離されたという報告があります |
| ダニ | ねずみが巣からいなくなると、イエダニが吸血源を求めて移動し人を刺すとまとめられています |
どれも報告として残っている数字で、この家がこうなると決まった話ではありません。
むしろ同じ資料は、こんな注意書きも添えています。
なお、ねずみ防除に直接関係ない作業を強く勧めたり、必要以上に顧客の危機感をあおるような業者は、適切とはいえません。
数字は判断の材料であって、急かすための道具ではありません。
そのうえで「屋外の経路だけ」で止まっているうちに手を打つほうが、作業量は小さくすむはずです。
屋内側まで進んでいる家では、ハウスプロテクトに今の状況を見てもらうところから始められます。
業者を選ぶときに見る4つの基準
頼むと決めたときの選び方も、東京都の資料が示しています。
- 事前の生息調査と防除後の効果判定
- 殺そ剤・粘着トラップだけでなく環境的防除の対策と指導まで
- 防そ修繕の内容と施工方法の説明
- 見積書の提出と納得できるまでの説明
2つ目の環境的防除こそ、ここまで作ってきたネズミ返しと侵入口ふさぎそのものです。
つまり手が届く範囲は自分で、届かない範囲は同じ考え方で引き受けてもらうという分け方。
ハウスプロテクトは、現地調査から相談できる会社のひとつです。
弱点にも触れておきましょう。公的資料も書いているとおり、生息調査から効果判定まで進めるには複数回の作業が必要で、1回では終わりません。だからこそ、最初の調査で範囲を決めておく価値があるといえます。
何社か見比べてから決めたい人には、害獣駆除110番や駆除ザウルスという選択肢も。
見比べる分だけ連絡と日程調整の手間は増えるので、早く範囲を決めたい人は調査から一気に頼める側が合うでしょう。
選び方をもう少し広く見たい人はネズミ駆除業者の選び方、費用の目安は害獣駆除の費用相場で確かめられます。



どこまで頼めるのか、先に知っておきたい。
実際の利用者の声を先に見たい人は、ハウスプロテクトの口コミと料金相場に目を通しておくと質問がまとまるでしょう。
はしごを立てないと届かない場所や電気配線まわりに経路がある家には、高所と配線まわりまで守備範囲に入る会社が合っています。
見積書を出してもらうところまでは、家の状況を見てもらうだけで進むはずです。
\ 生息調査から相談してみる /
賃貸と持ち家で最初の連絡先が変わる
作業に入る前に、連絡先を間違えないようにしておきましょう。
| 住まい | 最初の連絡先 |
| 賃貸 | まず管理会社・大家へ(民法で貸主に修繕義務が定められています) |
|---|---|
| 持ち家 | 自分で手配。屋外の経路は自作、届かない範囲は業者に |
民法では、貸主が使用に必要な修繕をする義務を負うと定められています。
ただし借りている側に原因がある場合は、この限りではありません。
負担の分かれ目は契約の中身によるので、勝手に工事を進める前に一度連絡を入れておくほうが早いでしょう。
もうひとつ多い誤解が、保健所が駆除してくれるという思い込みです。
相談は受けても、駆除そのものは行っていない自治体が多くあります。日野市は駆除作業も助成の制度もないと明記し、新宿区の案内は粘着シートや殺そ剤のサンプルまで。
支援の中身は自治体でまちまちなので、お住まいの市区町村の窓口で確かめるところから始めましょう。
持ち家で天井裏まで進んでいる人は、現地調査から相談できるハウスプロテクトに範囲を見てもらえます。
ネズミ返しの作り方でよくある質問


作る前によく出てくる質問をまとめました。
ネズミ返しはどんな仕組みでネズミを止めるのですか?
登ってきた先で体を支える場所をなくす、というのが基本の考え方です。公的な資料では、素材の手ざわりよりも柱の太さと形で登れるかどうかが分かれるとされていました。くわしくはネズミ返しの作り方は素材より太さと高さで決まるで整理しています。
ネズミ返しは100均の材料だけで作れますか?
形を試すだけならそろいます。PPシート・硬質クリアファイル・結束バンド・粘着テープは100均でも手に入るからです。屋外で数年もたせる金属板や金網はそろいにくいので、100均でそろう物とそろわない物を見てから決めましょう。
円盤はどれくらいの大きさが必要ですか?
配管の直径の3倍以上を目安にする説明が多く見られます。公的に確かめられるのは、直径75mm以上の円柱なら登りにくいという線引きのほうでした。手順は円盤型の作り方:配管の直径の3倍が目安にまとめています。
ネズミ返しはどの高さに付ければいいですか?
足場から1m以上離すのが目安です。跳躍力が垂直1m・水平1.2mとされているため、室外機や物置のすぐ上だと跳び越えられてしまうでしょう。場所ごとの付け方はネズミは垂直1m跳ぶ:足場から離して付けるで確かめられます。
付けたのに侵入されるのはなぜですか?
多いのは電線や枝を伝った回り道です。1本ふさいでも別ルートが残っていれば、そこから同じように上がられてしまいます。5つの失敗は電線や枝を伝って回り道されるから順に並べました。
ネズミはどれくらいの隙間から入れますか?
公的資料では1cmから1.25cmほどと幅があります。家の対策としては小さい側の1cmを基準にすると外しません。出典ごとの数字はネズミが通れるのは1cmの隙間からに並べています。
ネズミが登れる素材と登れない素材の違いは何ですか?
素材のツルツルさで決まるとまでは言い切れません。公的資料が示すのは、直径50mm以下は登りやすく、直径75mm以上の円柱は登りにくいという太さの線引きでした。理由は素材より太さ:登られにくいのは直径75mm以上で説明しています。
すでに天井裏にネズミがいる場合もネズミ返しは効きますか?
屋外の経路を断つ意味は残りますが、それだけでは足りません。壁の中や天井裏の巣は、外を固めても残ってしまうからです。判断のしかたは天井裏や高所は自分でやらないにまとめました。
犬や猫がいる家でも使える対策はありますか?
侵入口をふさぐ環境的防除なら、薬剤を置かずに進められます。粘着シートや殺そ剤を使う場合は、置き場所に気をつけたいところ。補助アイテムの位置づけは粘着シート・忌避剤・超音波は補助にとどめるで扱っています。
賃貸でネズミが出たら誰に連絡すればいいですか?
賃貸はまず管理会社か大家に連絡します。民法で貸主に修繕義務が定められているためです。保健所が駆除まで行う自治体は多くないので、賃貸と持ち家で最初の連絡先が変わるもあわせて確かめられます。
まとめ:ネズミ返しの作り方は太さと高さで決めよう


屋外の雨どいや配管に黒いこすり跡が出ているだけの家は、太さ・高さ・回り道の3点でネズミ返しを作れば経路を断てます。
- 分かれ目は素材でなく太さ(直径75mm以上)
- 作り方は3タイプ(円盤・つば・フェンス)
- 付ける位置は足場から1m以上(跳躍力からの逆算)
- ふさぐ隙間は1cmから(金網は網目1cm以下)
- 迷ったら、生息調査と侵入口の工事の両方に対応しているハウスプロテクトに相談
こすり跡だけで止まっている段階なら、まだ経路を断つ余地が残っています。
迷っている間に屋内へ入られると、壁の中や天井裏まで作業範囲が広がってしまうでしょう。



今週末、家の外を一周するところから。
エリアごとに業者を見比べたい人は、別サイトの害獣駆除エリアナビを参考にしてください。
工事をいきなり決めなくても、家の状況を見てもらうところから始められます。
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