こんにちは、もん吉です。

都会で見かけたハクビシンが痩せていてかわいそう…



害獣と聞くけど、人間の都合で駆除するのはおかしいのでは?
SNSやご近所でハクビシンの話題に触れ、こんな風に複雑な気持ちを抱えている方もいるかもしれませんね。
そのお気持ち、家庭菜園を営む私もよくわかります。
ハクビシンを一方的に「悪」と決めつけることはできません。
この問題の本質は、彼らが人間の活動によって住処を追われ、生きるために必死なだけだという点にあります。
この記事では、ハクビシンに対して複雑な思いを持つあなたに向けて、
- ハクビシンを「かわいそう」と感じる4つの理由
- 一方で「害獣」と呼ばれてしまう3つの深刻な被害
- 私自身の家庭菜園での被害体験と、それでも感じたこと
- 私たち人間がハクビシンと共存するためにできる対策
上記について、私自身の家庭菜園での経験を交えながら解説しています。



感情と事実の両方を知ることで、きっとあなたなりの答えが見つかるはずです。
ぜひ最後まで読んで、この問題と向き合うためのヒントにしていただければと思います。


ハクビシンを「かわそう」と感じる4つの理由|その気持ちは間違いじゃない


ハクビシンに対して「かわいそう」と感じるその気持ち、決して特別なことではありません。
むしろ、命を思う優しい心を持つ方だからこそ、自然に湧き上がる感情だと思います。
なぜなら、彼らが人間の生活圏に現れるようになった背景には、私たちが知っておくべき、いくつかの切ない理由があるからなのです。
ここではまず、その感情の背景にある4つの理由を一緒に見ていきましょう。
理由1:人間の都合で住む場所を追われた歴史的背景
ハクビシンがかわいそうと言われる最大の理由は、彼らがもともと暮らしていた森や里山が、人間の開発によって奪われてしまったことにあります。
高度経済成長期以降、日本では急速に宅地開発が進みました。
その結果、彼らの住処や食べ物が減ってしまい、生きるためにやむを得ず人間の生活圏へと姿を現すようになったのです。



彼らがゴミを漁ったり、民家の屋根裏に住み着いたりするのは、決して好きでそうしているわけではありません。
それは、私たち人間によって穏やかな暮らしを奪われた彼らの、必死の生存戦略と言えるでしょう。
理由2:本来はおとなしい性格なのに「凶暴」と誤解されがち
ハクビシンは、その見た目や夜行性という習性から「なんだか怖い」「凶暴な動物」といったイメージを持たれがちです。
しかし、実際の性格は非常におとなしく、臆病な動物であることが知られています。
もちろん、追い詰められたり、子どもを守ろうとしたりする際には威嚇することもありますが、自ら積極的に人を襲うことはほとんどありません。



暗闇でガサガサと動く姿が不気味に感じられるかもしれませんが、それは彼らが静かに、人目を避けて生きている証拠なのです。
こうした本来の性格が理解されないまま、一方的に危険な動物というレッテルを貼られてしまうのは、とても不憫なことだと私は思います。
理由3:法律(鳥獣保護管理法)では保護の対象でもあるという事実
意外に思われるかもしれませんが、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」という法律によって、むやみに捕獲したり殺傷したりすることが禁じられている動物です。
この法律は、野生鳥獣を保護し、生物の多様性を確保することを目的としています。
つまり、法律上はハクビシンも日本の生態系を構成する一員として、その命が尊重されるべき存在と位置づけられているのですね。



もちろん、農作物への被害など、実害が出た場合には自治体の許可を得て捕獲されることもあります。
しかし、個人が勝手に罠を仕掛けたり、傷つけたりすれば、罰則の対象となる可能性があるのです。
害獣というイメージとは裏腹に、法によって守られているという事実も、彼らの複雑な立場を物語っています。
理由4: 「外来種」という言葉が一方的な害獣扱いに繋がりやすい
近年の研究では、ハクビシンは江戸時代頃に台湾などから人為的に持ち込まれた外来種である可能性が高いとされています。
この「外来種」という言葉が、時に彼らを厄介者として排除する理由として使われてしまうことがあります。



もともと日本にいなかったのだから、駆除しても問題ないよね…
という意見を聞くことも少なくありません。
しかし、彼らが自らの意思で海を渡ってきたわけではないのです。



人間の都合で連れてこられ、長い年月をかけて日本の自然に適応してきた生き物に対して、その責任を問うのは少し酷な話ではないでしょうか。
外来種というレッテルが、彼らへの同情を妨げ、一方的な害獣扱いを助長している側面があることも、私たちが知っておくべき大切なポイントだと思います。
一方でハクビシンによる被害も深刻|害獣と言われる3つの理由


ここまでハクビシンを「かわいそう」と感じる理由についてお話ししてきました。
その気持ちは、私も心から理解できます。



しかし、物事には必ず二つの側面があるものです。
なぜ彼らが「害獣」と呼ばれてしまうのか、その背景にある深刻な被害の実態にも、私たちは目を向けなければなりません。
実際に被害に遭われている方々にとっては、これは生活に関わる切実な問題なのです。
理由1:家庭菜園や農作物を荒らす経済的被害
ハクビシンが害獣とされる最も直接的な理由は、農作物への食害です。
彼らは雑食性ですが、特に甘い果物や野菜が大好物。
私のような家庭菜園はもちろん、農家の方々が丹精込めて育てたトウモロコシやトマト、ブドウといった作物が、収穫直前に一夜にして荒らされてしまう被害が後を絶ちません。



ハクビシンは木登りが得意なため、フェンスなども軽々と乗り越えてしまいます。
趣味の範囲ならまだしも、これを生業としている農家の方々にとって、その経済的な損失は計り知れないものがあるのです。
理由2:屋根裏への侵入による騒音や糞尿被害
ハクビシンは、民家の屋根裏や床下を寝床として利用することがあります。
夜行性のため、家族が寝静まった深夜に天井裏を走り回り、その騒音で睡眠を妨げられるという被害が少なくありません。



うちの屋根裏でも、毎晩のように運動会が…
と頭を抱える方もいらっしゃいます。
さらに深刻なのが糞尿による被害です。
ハクビシンには決まった場所で排泄をする「ためフン」という習性があり、同じ場所に大量の糞尿が蓄積されてしまいます。



これにより、強烈な悪臭や天井のシミ、建材の腐食といった家屋への直接的なダメージにつながるのです。
理由3:様々な感染症を媒介する可能性と健康へのリスク
あまり知られていないかもしれませんが、ハクビシンは人間やペットに影響を及ぼす可能性のある、様々な病原菌や寄生虫を媒介することがあります。
例えば、ノミやダニはもちろんのこと、皮膚病の疥癬(かいせん)や、食中毒の原因となるサルモネラ菌などを持っている可能性があると言われています。



これらのリスクは、ハクビシンに直接触れなくても、彼らの糞尿を介して広がる恐れがあるため注意が必要です。
特に、小さなお子さんや、私のように愛犬と暮らしている家庭では、衛生面や健康面でのリスクは決して無視できない問題と言えるでしょう。
【私の体験談】家庭菜園の被害と、それでも感じた複雑な思い


ここまで客観的な理由をお話ししてきましたが、実は何を隠そう、私自身もハクビシンによる被害に頭を悩ませた経験者の一人です。



家庭菜園を愛する者として、そして動物を愛する者として、この問題に直面した時、私の心の中には非常に複雑な感情が渦巻きました。
ここでは、少しだけ私の個人的な体験をお話しさせていただければと思います。
被害直後の怒りと「駆除」が頭をよぎった正直な気持ち
それは、夏の終わりのことでした。
私が手塩にかけて育ててきたトウモロコシが、収穫を目前にして無残にも食い荒らされていたのです。
その時のショックと怒りは、今でもはっきりと覚えています。



なんてことをしてくれるんだ!
正直に言って、最初に頭に浮かんだのは「駆除」という二文字でした。
愛情を込めて育ててきた作物を守りたい、という気持ちが、動物への同情心を上回ってしまった瞬間です。
被害に遭われた方が「害獣」という言葉を使う気持ちが、痛いほど理解できました。
カメラに映った子連れの姿に気づいた時の心の変化
怒りに任せて対策を考えようとしていた私ですが、念のために設置していた監視カメラの映像を見て、その気持ちは大きく揺らぎました。
カメラに映っていたのは、一匹の親ハクビシンと、その後ろを必死についていく数匹の小さな子どもの姿だったのです。
親ハクビシンが実に器用にトウモロコシの皮をむき、子どもたちに分け与えている様子を見て、私の怒りはすっと消え、代わりに何とも言えない切ない気持ちが込み上げてきました。



ああ、彼らもまた、生きるために、そして子どもを育てるために必死なんだな…
もちろん、被害がなくなったわけではありません。
しかし、彼らを一方的な「悪」と断じることは、私にはできなくなってしまいました。
私たちがハクビシンと共存するためにできること|対策と心構え


「かわいそう」という気持ちと、「被害は困る」という現実。



この二つの間で、私たちの心は揺れ動きますよね。
私も、被害に遭った直後は怒りでいっぱいになりましたが、今は一方的に彼らを追い払うだけが解決策ではない、と考えています。
大切なのは、彼らが「来たくなる環境」を、私たち人間側が作らないように工夫すること。
ここでは、家庭菜園を営む私が実践している、共存のための具体的な対策と心構えについてお話しします。
まずは敷地内に侵入させない対策が基本
最も重要で、そして動物にとっても優しい対策は、そもそもハクビシンを敷地内に入れないようにすることです。



彼らの侵入経路となりそうな場所を、一つひとつ根気よく塞いでいくことが基本となります。
- 建物の隙間を塞ぐ
屋根の隙間や換気口、床下の通気口などは、ハクビシンにとって格好の入り口です。金網やパンチングメタルなど、丈夫な素材でしっかりと塞ぎましょう。 - 庭木の剪定
庭の木が家の屋根に届くほど伸びていませんか。ハクビシンは木登りが得意なので、枝を伝って屋根に侵入することがあります。定期的に剪定することが大切です。
こうした地道な作業が、結果的に彼らとの無用な争いを避けることに繋がるのですね。
餌となる生ゴミや収穫後の野菜の管理を徹底する



ハクビシンが人間の生活圏に近づく目的は、食べ物を探すためです。
つまり、彼らにとって魅力的な「ごちそう」を放置しないことが、非常に効果的な対策となります。
私自身、家庭菜園での経験から、この点を特に意識するようになりました。
- 生ゴミの管理
生ゴミは蓋付きのゴミ箱で保管し、収集日の夜には出さないようにしましょう。 - ペットフードの放置
犬や猫の餌を屋外に置いたままにするのは禁物です。私も愛犬のご飯は、食べ終わったらすぐに片付けるようにしています。 - 収穫物の管理
家庭菜園の野菜や果物は、熟したら早めに収穫しましょう。収穫せずに放置したり、収穫後のクズ野菜を畑に残したりしないことも大切です。
彼らに餌付けをしない、という強い意識を持つことが、共存への第一歩と言えるでしょう。
被害があれば専門家へ相談を|個人での捕獲は法律違反の可能性も
もし、すでにご自宅の屋根裏に住み着かれてしまった場合や、被害が深刻な場合は、ご自身で対処しようとせず、必ず専門家や自治体に相談してください。



先ほどもお話しした通り、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」で保護されています。
そのため、許可なく個人が捕獲したり、傷つけたりすることは法律で禁止されており、違反した場合は罰則が科される可能性もあるのです。
まずは、お住まいの市役所や町役場の担当部署に連絡し、どのような対応が可能かを確認するのが良いでしょう。



状況によっては、専門の駆除業者を紹介してもらえることもあります。
安全のためにも、そして法律を守るためにも、冷静に専門家の助けを求めることが賢明な判断です。
【FAQ】ハクビシンに関するよくある質問


最後に、ハクビシンについて多くの方が抱く疑問に、Q&A形式でお答えしたいと思います。
正しい知識を持つことが、誤解を解き、適切な対応に繋がりますからね。


まとめ:ハクビシン問題は、感情と事実の両面から考えよう


今回は、ハクビシンに対して複雑な思いを抱えているあなたに向けて、
- ハクビシンを「かわいそう」と感じる4つの理由
- 一方で「害獣」と呼ばれてしまう3つの深刻な被害
- 私自身の家庭菜園での被害体験と、それでも感じたこと
- 私たち人間がハクビシンと共存するためにできる対策
上記について、家庭菜園を営む私の実体験を交えながらお話してきました。
ハクビシン問題は、単純な善悪で割り切れるものではありません。
彼らが生きるために必死であるという事実と、それによって私たちの生活が脅かされるという現実、その両方を理解することが大切なのですね。
この問題に唯一の正解はないのかもしれません。



しかし、感情と事実の両方から多角的に見ることで、きっとあなたなりの向き合い方が見つかるはずです。
この記事が、あなたがこの難しい問題について考え、行動するための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。